相続・遺言
当事務所では、相続人の確定・相続財産の調査・遺産分割協議書の作成・自筆証書遺言の作成指導・公正証書遺言のサポート・遺言執行者の受任、任意後見人の受任など多様なサービスでお客様の依頼にお応えします。
遺言書起案作成にあたって
遺言書を作成するにあたりまずはいくつかの質問をさせていただきます。
いずれの質問も、法的に有効となる、たしかな遺言書の作成に欠かせない質問です。
ご自身のお考えなどについて、ありのままにお答えください。
遺言書を作成したいと思われたきっかけは?
重要なのは、遺言書作成する具体的な目的です。
「特定の相続人に財産を残したいから」「相続争いを避けたいから」「家族構成が複雑だから」「財産を公平に分けたいから」など、思いをお伝えください。
依頼者の目的に最適な遺言書の作成方法を検討し、遺言書作成を進めていきます。
家族構成、家族の性格などについて
これによって、「法的に財産を相続する権利を持つ方は誰なのか?」を確認します。さらに、ご家族の性格について教えていただくことで、無益な相続争いを防ぐための方策を立てることが出来るかもしれません。
どのくらいの財産を持っていますか?
現金や預貯金の金額をはじめ、不動産の有無や種類、株式などの有価証券、絵画や宝飾品、自動車などの動産といった財産を、どのくらいお持ちかお伺いします。これまでに挙げた「プラスの財産」だけでなく、借金などの「マイナスの財産」についても相続の対象となりますので、包み隠さずお伝えください。
ご相談の時点で財産の全容が明らかでない場合は財産の調査をお手伝いします。
希望する形態の葬儀はありますか?
人生の締めくくりとなる「葬儀」についてのご希望を伺います。万が一の事態が起こった際、最初に誰に連絡をするのか、葬儀の会場や段取りをどうするのか、葬儀には誰に出席して欲しいのかといった事柄について、ご希望を伺います。さらに、遺体や遺骨をどのように扱って欲しいのか、延命治療の必要性の有無などについても、お考えを明らかにされておくと、ご家族の負担を取り除くことができます。
どの形式の遺言書を作成しますか?
遺言書は「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。どなたでも、お好きな形式で遺言書を作成できます。相続人は全ての財産を相続します。
遺言書の種類
種類 | 自筆証書遺言 | 公正証書遺言 | 秘密証書遺言 |
---|---|---|---|
作成方法 | 遺言者が遺言の全文、日付、氏名を自書し、押印する方法 (パソコン・代筆不可) |
証人2人の立会のもと、公証役場にて公証人が遺言者の意思を文書にして作成する方法 | 遺言者が署名・押印した遺言書を封筒にいれ、同じ印で封印して、公証人・証人2人の前に提出し、自己の遺言であることを証明してもらう方法 (パソコン・代筆可。但し署名は必ず自書) |
印鑑 | 認印可 | 遺言者は実印 証人は認印可 | 認印可 |
遺言書の保管 | 遺言者が保管 | 原本は公証役場で保管 遺言者には正本と謄本が交付される | 遺言者が保管 |
家庭裁判所の検認 | 必要 | 不要 | 必要 |
特徴 | 遺言書の内容・存在を秘密にでき、作成も簡単。 しかし、変造や紛失の恐れがある。 相続発生時に遺言書が見つからない恐れがある。 要件不備による無効、内容のあいまいさによって紛争の恐れがある。 |
変造や紛失の恐れがない。 無効になる可能性も極めて低く、最も安全な方法。 但し、費用がかかる。 |
遺言書の内容・存在を秘密にできる。 しかし、変造や紛失の恐れがある。 相続発生時に遺言書が見つからない恐れがある。 要件不備による無効、内容のあいまいさによって紛争の恐れがある。 費用がかかる。 |
遺産相続にあたって
相続人調査
相続が発生した場合には、まず相続人が誰であるかを確定することから始めます。
自分が相続人であることが明らかな場合には、相続するか、相続放棄をするかを3ヶ月以内に決めます。
相続する場合には、他に誰が相続人であるのか、またどのような資産・負債があるのかを調査する必要があります。
遺言書がある場合には、記載されている方が相続人となりますが、遺言書がない場合や、相続人と記載された者が限られてる場合には、相続人調査から開始することになります。
相続人が誰にあたるかは、被相続人(亡くなった方)の戸籍謄本や誕生から死亡までの除籍謄本を取得して確認する必要があります。また相続人とされる人が死亡していた場合には、代襲相続が発生しているかを確認する必要があります。
相続分については、原則として配偶者:子の割合が1:1とされます。配偶者がいなければ全て子が相続します。
子がおらず、配偶者と親がいれば、配偶者:被相続人の親の割合が2:1とされます。また親がいなければ、配偶者:被相続人の兄弟姉妹の割合が3:1とされます。
戸籍や除籍の厳密な調査をして、相続人と相続割合を確定することが遺産相続の重要なポイントです。
相続財産調査
財産調査は、不動産(土地・建物等)や預貯金(各金融機関の残高証明取得や取引履歴の取得)、株式などの有価証券の調査や金融機関の信用情報機関への残債務の有無、各金融機関への債務額の調査など、多岐にわたります。
資産や負債の調査には、時間を要するものがありますので、相続放棄の申述期間を考慮して迅速に行う必要があります。
どこに問い合わせたらいいのか分からない、どのような資産・負債があるのか分からないという方は、是非ご相談下さい。
遺産分割協議書の作成
遺産分割の方法は、相続人全員が『遺産分割協議』で話合い合意をして決めることも可能です。
納得して法定相続割合によらない遺産分割をする場合には、有効な手続です。特に、特定不動産を特定の相続人に相続させ、また被相続人の経営していた会社の株式を特定の相続人に相続させて経営を維持していく場合には、有用な手続です。
相続人間での協議がまとまった場合には、遺産分割協議書を作成して、相続人全員の署名と実印を押します。
遺産分割協議に当たっては、後日揉めることのないよう、相続財産の範囲や内容を十分に理解しておくことが必要です。